望遠鏡 選び方 メーカー

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天体望遠鏡の歴史

1608年望遠鏡は、オランダの眼鏡師ハンス・リパシーによって偶然発見され、同年10月リパシーは特許を申し出ています。翌1609年ガリレオ・ガリレイは物理学的にレンズを研究、凸レンズと凹レンズを組み合わせた望遠鏡を製作しました。これがガリレオ式望遠鏡です。倍率があまり出せないので今日ではオペラグラスとして使用されています。1611年凸レンズと凸レンズの組み合わせによる望遠鏡が考案されました。これがケプラー式望遠鏡で、現在の望遠鏡の元祖になります。17世紀始めは天動説から地動説に移り変わる時で、多くの天文家が望遠鏡を使って地動説を立証しています。しかしこれらの望遠鏡は、各収差がひどく、特に単レンズのため色収差が著しく、これを少しでも改善するために長大な望遠鏡が出現することになりました。そのためレンズを使用する屈折式望遠鏡は次第に行き詰まることになります。1688年アイザック・ニュートンにより凹面鏡を利用した反射望遠鏡が作られ発展しますが、凹面が金属を磨いて作ったものなので、酸化しやすく反射力がすぐに鈍るのでこれまた行き詰まり感を呈していきます。
その後、色消しレンズ(アクロマートレンズ)の発明、ガラスに銀メッキする技術の発達などにより、屈折・反射望遠鏡とも近代的な望遠鏡として生まれ変わっていきます。近年ではより精緻な色収差補正を可能にするアポクロマートレンズや反射式と屈折式をあわせたシュミットカセグレン式やマクストフ望遠鏡なども市販されていますが、それぞれに長所・短所がありますのでご自分の観測スタイルや観測対象にあわせた望遠鏡選びをしてください。

望遠鏡の種類と特性

屈折式

対物レンズで集めた光を直接接眼レンズで拡大して見る形式です。光路が単純なだけにコントラストも良く、視界全体に落ち着いた良像を結びます。またメンテナンスも簡単で、初心者にも違和感がありません。焦点距離にもよりますが、観測対象はオールマイティーです。対物にアクロマートレンズを使ったものは若干色収差が残ります。フローライトなどの高級素材を使ったアポクロマートレンズは極限の収差補正が可能ですがサイズの割に高価です。


反射式

集光に対物レンズを使わず反射鏡を使って集光し、さらに斜鏡で光路を90度曲げて接眼レンズで拡大して観測するタイプです。色収差がなく、視界中心部は極めてシャープな像が得られます。安価なものは主鏡に球面鏡を使用しますので、球面収差が残りますが、パラボラ主鏡を使ったものは収差ゼロの精鋭像が得られます。月面、惑星、星雲、星団観測に向き、天体写真撮影にも適してします。急激な温度変化が生じると筒内気流の影響で像が安定するまで若干時間が掛かります。またベストコンディションを保つためには定期的なメインテナンスが必要になります。

マウント(架台)の種類と性能

望遠鏡を支える架台には経緯台と赤道儀式の2タイプがあります。観測目的に応じて選びましょう。

望遠鏡を支えつつ、望遠鏡の向きを変えるための装置です。当然、重く堅牢に作られた物の方が視界の安定性が良くなります。マウントの基本運動が上下・左右のものが経緯台式で微動装置付きと無しのものがあります。また星の日周運動に合わせて追尾可能なマウントが赤道儀式です。天体の長時間観察に有利です。


経緯台式
経緯台式では星の動きに対して左右、上下の2方向へ望遠鏡を動かすことができます。 操作が簡単ですので、はじめて天体望遠鏡をご使用になる方をはじめ、学習用としても最適です。

赤道儀式
赤道儀式では星の動きに対して赤経ハンドルひとつの操作で星を捉えつづけることができます。 長時間の観測、写真撮影に最適ですが、使用前に極軸のセッティングが必要です。 また、モータードライブの使用による完全自動化が行え(取付可能機種に限る)、初心者から上級までレベルに応じたシステムアップが可能です。

望遠鏡の性能、用語解説

口径と有効径
口径とは対物レンズ、あるいは反射主鏡そのものの大きさ(直径)をミリで表します。また有効径とは実際に望遠鏡の枠内に収まったときの直径を表示しています。有効径60mmの望遠鏡は、口径が63mm位になります。

焦点距離
対物レンズまたは反射主鏡によって集められた光が焦点を結ぶまでの距離をミリで表したものです。

望遠鏡の倍率
対物レンズ(主鏡)の焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割った値が倍率となります。つまり焦点距離900mmの望遠鏡と焦点距離20mmの接眼レンズを使った場合、900÷20=45倍となります。望遠鏡の倍率は見る対象によって変える必要があります。たとえば星雲や星団、月の全体像などは低倍率で、月面の部分拡大や惑星などは高倍率で楽しめます。低倍率とはおよそ20〜40倍、高倍率とは100倍以上をさしています。

集光力
肉眼と比較してどのくらい光を集めることができるかを示しています.人間の瞳は一番開いたときで約7ミリです.集光力の計算は有効径の2乗を瞳径の2乗で割ります。
有効径80mmの望遠鏡では、(80X80)÷(7X7)=肉眼の131倍集光力の大きい望遠鏡ほど暗い星まで見ることができできます。

極限等級
星はその明るさによって、それぞれ等級があります。健康な眼を持っている方は、真暗な夜、空の状態が良い時で6等星まで見ることができます.同じように望遠鏡で何等星まで見えるかを表したのが極限等級です。

分解能
どのくらい細かいところまで見分けられるかを角度の秒で表したものです.計算は角度の116秒を望遠鏡の有効径で割ったものですが、数字が小さいほど、分解能が高く、二重星の観測で有利になります。

天体望遠鏡の基礎知識

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